コネクタトラブルの
原因を探るためには…
コネクタの基本構造
コネクタには端子とハウジングという2部品構成で、それぞれオスとメスがあるので計4部品となり、更に極数違いや電線サイズ違い色違い等があります。
上記を踏まえて、以下のように電気接点部品の不具合箇所を予想し、調査を行います。
- ハウジングの嵌合は適切か?
- コンタクトは正常か?
- カシメのダイは適切か?
- 配線の断線はないか?
しかし
- 異常がないことを証明すること
- 複数の不具合が同時に見つかった場合、どれが一次要因か見極めること
これは、非常に難しいのです。
実際の故障事例
実際の故障事例を見ていきましょう。
事例:1
コネクター内部に水が浸水し、車両火災発生
不具合の概要
- 駐車中、ABSハイドロリックユニット付近から出火した。
- 出火の2ヶ月前からABS警告灯が点灯していたにもかかわらず、使用を継続していた。
- 原因はABSハイドロユニットのコネクタに水が侵入しショートしたことによるものと推定される。
事例:2
突然エンストしボンネットから発煙
不具合の概要
- 走行中、突然エンストしボンネットから発煙した。
- 調査の結果、第2気筒のダイレクトイグニッションコイルのプラグキャップに水分による腐食が確認された。
- 清掃の際に使用した高圧スチーム洗浄により、プラグやコネクタ部に水分が進入し放置され、腐食や接点 不良に至ったと推定される。
不具合要因を分析
事例のようなトラブルの原因究明にはどのような知識が必要となるのでしょうか?
まずコネクタ不具合分析の基本を知ることが必要です。
コネクタトラブルの原因は概ね以下のような構成になります。
コネクタトラブルの原因は概ね以下のような構成になります。
端子変形
24%
端子
係止はずれ 16%
係止はずれ 16%
端子逆挿入
8%
アッシー
未嵌合 8%
未嵌合 8%
その他
44%
接触抵抗に係るトラブルの要因は以下となります。